ちゃっぴーの雑記帳

香川県で細々と演劇したりダンスしたり観劇したり本を読んだり映画を見たり……日々の思いや考えを綴っていきます。

江戸川乱歩作品紹介「指」

「乱歩之回」作品紹介第5弾!

次は「指」です。

 

株式劇団マエカブ・劇団まんまる合同公演

「乱歩之回-江戸川乱歩戯曲短篇蒐」

 

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ついに第5弾までやってきました。

パンフレットに書いてある上演作品としては、今回がラストとなります。

「乱歩之回-江戸川乱歩戯曲短篇蒐」は5つの戯曲を準備しておりますが、1公演3演目となっております。

ですので、どの回を選ぶかによって戯曲が変わってきます。

過去の記事も見て、是非とも参考にしていただけたらと思います。

 

この作品は初版が1960年になります。

やっと晩年の作品が取り上げられました。江戸川乱歩は1965年にクモ膜下出血の為、70歳で没しています。本当に後期の作品になりますね。パーキンソン病を患いながらも口述筆記をさせながら、作品を作り上げていった乱歩の執念を感じるような作品です。

この作品は1959年~1963年まで発行されていた「ヒッチコックマガジン」という雑誌に掲載されいました。調べてみたら掲載された江戸川乱歩の小説は「指」だけだったんですね。

 

これまで読んだことのない作品でしたが、小説はとっても短くて5分程度で読めてしまうものです。しかし、短いからといって優しいというものでもなく、短いからこそ魅力がギュッと詰まっています。

 

登場人物は「医者」と「看護婦」と「患者」。

病院に運び込まれ手術を受けた有名ピアニストの患者。

その患者が手術した箇所を巡って医者と看護婦が巻き込まれていく……というような作品です。

 

星新一の「ショートショート」位の、本当に短いお芝居です。

それくらい短い作品からインスピレーションを得て、思考を働かせて、一本の戯曲に仕上げるのだから、劇作家という生き物はつくづく恐ろしいものだと思います。

 

小説からのみだと読み取れないような「色」や「気温」……何というか「肌触り」みたいなのが追加されていっています。

人間の執念のようなものを感じるこの作品は、乱歩の人生を知ってから読むと、彼の持つ「小説家」としての執念や執着心を感じます。

今回の戯曲集の中で一番「ありえるかも」という印象を私は受けています。時に人間の執着心は常識を超えていくことがあると思うので。

 

追記されていった部分も楽しみながら観劇できる作品だと思います。

小説の持つ「奇怪」さが、戯曲になり「儚さ」が追加されている感じですかね。

 

  • そんな「指」を演じるのは

この作品も「香川」「徳島」連合軍です。

株式劇団マエカブの与力さんと、劇団まんまるの英さんと坂東さん。

全体的に「いい声」と思う役者が集まっている感があります……私の個人的見解では。

 


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作品の印象としては「美しさ」と「儚さ」に「奇怪さ」を一緒に混ぜて、「音」と「声」をスパイスに使う、というような感じ。

でもでも、純粋に「美しい」と思います。クラシカルで。時代を嗅覚として感じるのは、この作品が一番だと感じています。感覚的な部分ですが。

後は個人的に感じる「乱歩感」はこの作品が一番近いです……っても、これも超感覚的なところなんですけれどもね。

 

そんな「指」は「香川」「徳島」の両県で上演します。

8公演中4公演の上演となっています。

 

【香川公演】

・6月15日(土)14:00~

・6月16日(日)14:00~

【徳島公演】

・6月22日(土)15:00~

・6月23日(日)11:00~

 

 

以下、公演詳細です!

 

株式劇団マエカブ・劇団まんまる合同公演
『乱歩之回-江戸川乱歩戯曲短篇蒐-』

 

 

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うつし夜はゆめ よるの夢こそまことーーー
舞台が終わり戻る先は、現実か、あるいは虚構か。


[チケット]※両公演共通
前売:1,500円
当日:1,800円
※未就学児の入場はご遠慮ください
※前売りチケットの販売は香川6/12 23:59、徳島6/20 23:59まで。
Web予約をされた方は、お支払いは公演当日、会場にてお願いします。

[公演情報]※両公演共通
上演時間:約60分予定

 

[上演作品]
「赤い部屋」…RIN
「お勢登場」…繁中、橋本、三嶋、与力、法兼(香川)/藤本(徳島)
「百面相役者」…宮元、藤本
一人二役」…仁後、三嶋、佐光
「指」…与力、英、坂東

 

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《香川公演》
[日時]
2019年6月15日(土)14:00開演、18:00開演
2019年6月16日(日)14:00開演、17:00開演
※開場は開演時間の30分前

 

6月15日(土)
14:00「指」「赤」「お勢」
18:00「百」「赤」「お勢」
6月16日(日)
14:00「指」「百」「一」
17:00「一」「赤」「お勢」


[会場]
ヨコクラうどん(高松市鬼無町鬼無136-1)


[駐車場]
駐車場に限りがあります。
恐れ入りますが、なるべくお連れ様と乗り合わせの上、
(有)手ぬぐい工房ポスター堂さん(香川県高松市鬼無町鬼無257-11)の駐車場に
駐車をお願い致します。(ヨコクラうどんまで徒歩5分)
当日スタッフがご案内します。

 

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《徳島公演》
[日時]
6月22日(土)15:00開演、19:00開演

6月23日(日)11:00開演、15:00開演
※開場は開演時間の60分前


[会場]
大正館(徳島県小松島市小松島町字外開7-11)

 

6月22日(土)
15:00「指」「一」「お勢」
19:00「一」「百」「お勢」
6月23日(日)
11:00「指」「百」「お勢」
15:00「一」「百」「お勢」

 

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[出演]
〈株式劇団マエカブ〉
藤井みな、繁中あずさ、与力(よりき)、三嶋孝弥、橋本琢真、法兼弘季、RIN
〈劇団まんまる〉
大木茂実、佐光恵美子、宮元優佳、英佑有紀、坂東幸奈
〈劇団テアータ’80〉
藤本康平
〈フリー〉
仁後哲志

[スタッフ]
原作:江戸川乱歩
演出:大木茂実
脚本:藤井みな、大木茂実
構成:藤井みな
公演責任者:大木茂実
舞台監督:三嶋孝弥
衣装・舞台美術・小道具:繁中あずさ、宮元優佳、法兼弘季
照明:三嶋孝弥
制作:<香川>与力(よりき)・橋本琢真 <徳島>佐光恵美子


[お問い合わせ]
●株式劇団マエカブ(香川)
090-7572-6104(岡田)
http://maekabu.main.jp/ 

●劇団まんまる(徳島)
050-5359-4043
https://troupemanmaru.com/contact 

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