2019年9月15日(日)13:00~
カブフェスで観劇した燐光群の「生きのこった森の石松」の観劇記録。
作・演出:坂手洋二
出演:鴨川てんし
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「燐光群」とは
過去記事にも書いた通りではあるんですが。
1982年に創立した劇団で、主宰の坂手洋二さんは岸田國士戯曲賞も受賞された方です。
長年、活動されている実力派劇団です。
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感想
死んじまったことにしたから、先は齢を重ねちゃいねぇ。
それでもじわじわ歳はとるわけで。
「石松」って名前で呼ばれた頃のことはずいぶん昔だから、ちゃんと覚えているかどうか心許ねぇが、冥途の土産に聞いていきな。
これも、あらすじ読んだら「見なきゃ!」と思いますよね。素敵な文章だと思います。
おでん屋さんに次々とやってくるお客さんたちの話。
東京オリンピックの話題もあって「現代かな?未来かな?」と思ってたけれど、過去のオリンピックのお話なのね。
そんでこんで「森の石松」ってなんだ?と、思って検索してみた。
幕末期の侠客「清水次郎長」の子分なんですね。
こういうブログ書いてたら、知らないことを調べるようになるからいいね。余談。
だから「寿司食いねぇ」とか「馬鹿は死ななきゃ直らねぇ」というセリフがあったのね。納得。
要するに、ほぼほぼ前知識なしに見始めたものだから、物語のベースになる部分は理解せずにスタートした観劇でした。
でも、そんな中で思うことはたくさんあって。
本当に存在していたであろう人物を感じる。
もしかしたら、自分を「森の石松」と思ってしまっている人なのか?と思ったら、少しもの悲しく映る。
いや、でも、そういう人、いるもんなぁ。
鴨川さんの芝居も変化自在で、舞台を大きく使って、隙が無いように感じる。
とても渋くてかっこいい。
かと思いきや、何だか情けなく映る。
そして、とてもユーモラス。
存在、そのものがかっこいいと思える。
沢山の時代を考え渡り歩いてきたからこそ、その場に存在するだけで特別に感じる。
素朴で繊細で、でも雑でぶっきらぼう。
そんな大人って、今はどこに存在しているのかな?と感じる。
世捨て人のようにも見えるけれど、その境地の色気みたいなのを感じました。
これも「あい子の東京日記」と同様に、静かにじっくりと観劇したい舞台です。
どこかで、また、改めて出会いたい。