ちゃっぴーの雑記帳

香川県で細々と演劇したりダンスしたり観劇したり本を読んだり映画を見たり……日々の思いや考えを綴っていきます。

きよしこのよる『わたしのお誕生日の記録』

2019年9月16日(月)

カブフェスで観劇したきよしこのよる『わたしのお誕生日の記録』の観劇記録。

作・演出・出演:木邨明恵、林幸恵

 

 

きよしこのよる」を屋号とする個人として、松山を拠点に演劇活動をしています。

地方で働くことや生活することを主軸に、そこから生まれる問題や悩みをテーマとした作品をつくります

 

前々から『きよしこのよる』さんは知っていました。綺麗な名前の劇団が松山にあるんだな、という認識。

木邨さんを知ったのはUnit outの公演で。独特の存在感を放っていた印象。

 

知っていたけれど、観劇した事の無い劇団。

何でも誕生日の記録を集めている、とか?

どーいうことなんだろうか?ってずーっと思っていました。

 

  • 感想

 

この夏、私たちは「お誕生日の過ごし方」について様々な方にお話を伺わせていただきました。

その中で、自らの『加齢』や『人生設計』について考えたことを作品にします。

思うようにいかないかもしれない、私たちの未来のために。

 

最初に木邨さんと林さんの誕生日の物語。

そして、誰かわからない方の誕生日の記録。

他人の誕生日を覗き見ることなんてないから、何だか、少し、ドキドキする。

 

歳を重ねれば重ねるほど、子どもの時に感じていた『誕生日の特別感』は徐々に薄れていく。

その『特別感』をもう一度、思い出させてくれる。

 

誰かに祝ってもらいたかったり、そうじゃなかったり。

無表情でも心では喜んでいたり。

当たり前の日常の一部だったり。

 

ショートショートの5分もない位の物語。

その中に、登場人物たちが生きてきた歴史や、周りの人達との人間関係。

短いのに、見れる範囲が一気に広がる。

脚本の素朴さに、演出の見せ方の面白さ。

そして、役者さんの自然に演じる姿。

 

その人に寄り添って作り上げた感じが伝わって好感が持てる。

 

誕生日の話を聞いていたら、最初は『何も無いよー』って言っていたような人達が、徐所に笑顔になって語ってくれる、という話を聞いて、微笑ましく感じる。

 

私も誕生日の記憶を思い出していたら、毎年祖母が赤飯を作ってくれる。

それが年一回のご馳走だった。

そのためか、今でも赤飯が好き。

 

そんな記憶を掘り起こしてくれて、懐かしさとちょっとの寂しさを感じた。

今日一日は、何気ない1日だけれど、誰かにとっては特別な1日になっているのかも。