2019年9月16日(月)14:30~
カブフェスで観劇した、劇団シアターホリックの「シアターホリック side session」の観劇記録。
作・演出:松島寛和
出演:松島寛和、山田紫織
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「劇団シアターホリック」とは
今年は四国全県4都市ツアー公演も行いました。
社会派なテーマを本気とも冗談ともつかない調子で取り上げてます。
私がシアターホリックさんを初めて観劇したのは、2013年に鴻上尚史さんの「朝日のような夕日をつれて~Girl's Edition~」が最初だったと記憶しています。
この時が初めて鴻上さんの戯曲に触れる体験になりました。
演出の面白さ、というものを初めて実感したのがこの瞬間だったように記憶しています。
その後、何度か観劇に行っていました。
既成台本を上演したかと思いきや、社会派な重いテーマを軽やかに扱ったり、かと思ったら古典をしっかりと上演したりと、振り幅がすごい劇団です。
毎回、違ってくるので、何度行っても飽きないです。
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感想
例年次回公演の短編アレンジを上演してきましたが、今回は自作が決まっておりません。
なので今年はカブフェスで何をやるのか…書き下ろしか、過去作品か、まさかの古典か…!
当日会場でご案内します。
お楽しみに。
上演台本、まさかの未定!
確かに、昨年は「孤独、あるいはマルキドサドに学ぶ幸せな人生の過ごし方」の短編だったと記憶しています。
今年は「プールのある家」を5月~7月にかけて上演したので、確かに次の脚本が決まっていない状況ですよね。
しかし、まさかの未定!これは見に行くしかない!
……と、何だかまんまと作戦に乗せられてしまった感じもしますが、カブフェスの最後を締める演目ですので、わくわくしながら桐の間に遊びに行きました。
観劇前に松島さんがお客さんに向かって、今年のカブフェスの感想を話しています。
松島さんが上演前に客席に向かって話しかけるのも、ある種のお約束みたいなところがあります。
何だか、ちょっととぼけたような前説が、実は好きだったりします。
作品は松島さんと山田さんの2人芝居。
「プールのある家」でも抜群のチームワークだったので、安心のコンビです。
まず、最初に2人が顔を見合わせて「あー!」と叫ぶところからスタートです。
この「あー!」っていうのを3回も繰り返す。
何だか、昔の漫画を見ている感覚に陥ります。
こういう漫画的表現を舞台でやっちゃう感じも面白いところです。
話の中に出てくる「焼肉の正しい食べ方」とか「プロレスの面白さ」とか、すべて、これ、松島さんが好きなことを脚本にしたんじゃないの?って感じで、現実と虚構の境目が段々とわからなくなってきます。
死んだお父さんとその妹(だったと思う)が、3人目の出演者である息子に話しかけている。
生きている息子がその場に存在していないのに、死んでいるお父さんがその場に存在しているというのは、何とも不思議な感覚に陥ります。
最後は「あ、ふたりは親子なんだな」というほっこりとしたラストで、安定・安心して観劇できました。
何気に、こういう短編のシアターホリックさんを見るのは初めてかもしれないな?と思い、何だか得した気持ちになりました。