ちゃっぴーの雑記帳

香川県で細々と演劇したりダンスしたり観劇したり本を読んだり映画を見たり……日々の思いや考えを綴っていきます。

【良質なインプットを】3年でプロになれる脚本術

 

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10月頃から脚本を書くことに悩んでいた。

時々、脚本を書く機会がある。

その時々で何とか書いていたが、かなり騙し騙しだった。

そこに限界を感じ始めて購入したのが「3年でプロになれる脚本術」だった。

 

 

著者の紹介

著者は「尾崎将也」氏

1960年生まれ。

1992年に「屋根の上の花火」で第5回フジテレビヤングシナリオ大賞を受賞。

アットホーム・ダッド」「結婚できない男」「梅ちゃん先生」「お迎えデス。」などが代表作。

私はあまりテレビドラマを見ない人間だったので、腰を据えてみた作品はない。

でも梅ちゃん先生に関しては、高校時代に心酔していた堀北真希主演だったので、ちゃんと記憶には残っている。

つまり、尾崎さんがいなければ毎朝、麗しき堀北真希を拝める事はなかったのだ。

ありがとうございます!尾崎さん!

 

はじめに

 今回は、時々、自分が振り返る事が出来るピンを刺すために書いていきます……というか、いつもそんな感じ。

 

 その① 客観視する能力

自分が時間をかけて書き上げた脚本が目の前にある。

そりゃ、誰だって愛おしいものだと思う。

そこには自分が情熱を注いで創作した物があるわけだから。

 

でも、よりよい脚本を仕上げるなら「脚本を客観視する能力」が必要だという。

 

そこで例えに出されていたのが「P/PCバランス」だ。

・P:Production(成果)

・PC:Production Capability(目標達成能力)

ココだけ見ても「なんのこっちゃ」となる。

 

そこで、イソップ寓話の「ガチョウと金色の卵」を例に出してくれており……。

 

ガチョウ(PC)を大切に飼っていれば金の卵(P)が手に入る。

でも、金の卵(P)の取得を急ぐあまりガチョウ(PC)の腹を掻っ捌いても何処にも金の卵(P)はない。

地道にガチョウ(PC)と共存・育成しながら金の卵(P)を得ていく。

 と理解している。

 

兎にも角にも急がば回れという事なのだろう。

 

その② 映画分析

そうは言いますが、どうすればそのPを育成する事が出来るのか?

 

それに尾崎さんは「映画を分析しろ」と言います。

 

本の中では参考になる名作映画が挙げられており、その中の殆どを見たことがないので、今後の楽しみが爆増しました。

その分析も「感想をいう」という事に留まる事なく「何故面白いのかを理論的に説明」できる所まで落とし込んでいく必要がある。

「感覚」⇒「理論」⇒「テクニック・公式化」

上記の流れをたくさんの映画を観ながら分析していく事により、自分の中に公式を蓄積していく。

それには「どれだけ観たらいいのか」という具体的な数値はなく、腑に落ちるまでとことん色んな作品を観る必要がある。

そうする中で、全く別ジャンルの映画にも同様の公式が当てはまっている事がある。

 

その③ ドラマには時間の流れが存在する

「いや、当たり前やん」と思ったかもしれない。私も思った。

でも、その当たり前を脚本を書いていると忘れている自分が存在する事を忘れている瞬間が何度も訪れる。

その為に使えるのが「ハコ書き」という手法。

一枚の紙に「何処で、誰が、何をする」を書き込む

 という方法を取る事によって、構成表を作成し、中身をどんどんと分析していく作業を積み重ねていく。

 

そして、最後に

・ストーリを3行で言うと?

・ストーリーを10~15項目の箇条書きにすると?

という問いを自分自身に課して、最後に全体を俯瞰して見る作業を行う。

 

自分自身では作品を観る度に分析しているつもりだったが、ここまで細かく作業したことがなかった。

どちらかというと「演技」とか「演出」とかに視点が向きがちで「物語」を分析する事は少なかったように感じた。

 

その④ ドラマを回す

前半で何となくインプットの方法はわかった。

後は映画を見ながら自分が腑に落ちるまで分析を繰り返すことが大切。

それも感覚的な事ではなく、ちゃんと言語にして公式化する事も理解した。

 

じゃあ、それをアウトプットするにはどうしたらいいの?

 

それには、ドラマには何が含まれているのかを理解する事が必要で

ストーリー+キャラクター+テーマ+題材

=ドラマ

 という複数の要素が絡まっており、この要素を手に取りながら車輪を回していくような感覚らしい。

 

その⑤ ストーリーを作るには

その中の先頭にある「ストーリー」とはどのように作るべきなのか。

これを一言で説明すると

主人公の一貫したエモーションが新しい状況や展開を生み出していくこと

と本書には書かれている。これだけ見ても意味がわからない。

ドラマのストーリーには

「主軸」があって「主人公の目的・行動・対立・葛藤」が時間の流れで存在する

状態であるとも説明されている。

 

でも、これも確かに納得できる。

物語の「主軸」がわからないと観客としてはモヤモヤ・イライラして「何を見させられているのだ?」という葛藤を抱えると思う。

また、その主軸に置かれている主人公に対して我々は感情移入するのが多くの作品に共通する点だと思う。

最初から最後まで平穏無事に終わってしまっては見る価値はない。

だから、やっぱり主人公には「ドラマ」が必要で「目的」があって「行動」し、その中で「対立」と「葛藤」を抱えた先に見える景色が見たいのだ。

 

その⑥ デジタルとアナログ

本書で一番「成程」と思ったのが「ストーリーはデジタルで、人間はアナログ」という言葉だ。

この中で見えるのは

・ストーリー=デジタル=一貫性

・人間=アナログ=変化

 という事だった。

ストーリーは一貫した軸の中に存在しており、そこに生きる人間が何を感じて変化していくのかを描いていく必要がある。

それが、きっと人間ドラマだし、そういう作品が見たい。

 

最後に

本書を読んだ時には「成程なぁ」と思っていたけれど、

こうやってアウトプットしていると「当たり前だよなぁ」って思ってしまう。

でも、悲しいかな。やっぱりその「当たり前」ができていない。

というか、その「当たり前」を行うためには、そこに至るまでの膨大なインプットと分析が必要になってくる。

 

本書の中で

「what」「How」の問題

という文章がある。ここが一番、感銘を受けた。

 

題材ばかりに目がいってしまい「what(何をするべきか)」という事を中心に書き過ぎると、題材が力を持ちすぎてしまう。

私は何かを創作する上では大切な思考だと思っているし、その情熱が創作の原動力になる。

しかし、それをそのまま板の上に乗せたところで、それは決して作品ではない。

その題材を上手に料理する「How(どのように)」の能力がもっともっと必要なのだ。

 

その為に、もっと意識的に積み上げなくてはいけない。

 

そして、積み上げた題材を持って、思い切って創作のプールに飛び込むことも大切。

 

良質なインプットと良質なアウトプット

 

言葉にすれば簡単だが、それを上手く言語化してくれている本でした。

 

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