最近、仕事もプライベート……っても演劇のことなんですけれども。
どちらも忙しくて、充実している。
半面、忙しすぎて感情や思考力が死ぬ瞬間がある、ような気がする。
いや、まだまだ序の口だと思う。
こうやってブログを書いたりする時間がある、というのもそうだ。
きっと、余裕があるのだろう。
でも、待って。
余裕がなくなったらどうなるのだろうか。
只でさえ思考が止まる瞬間を感じているのに。
只でさえ感情が止まる瞬間を感じているのに。
これ、走り続けていたら完全に止まってしまうのでは?という恐怖を、なんだか、時々感じます。
いや、そう簡単には停止しないのは知っているんだけどね。
何かにのめり込んで、深く深く潜りだしたとき、よく、相手の感情を置き去りにしてしまいがちになる。
「自分がこう考えてこう行動しているから、きっと周りもそうだろう」
そんな勝手な考え方をしてしまう時が、ままある。
私の好きな漫画に「ヤサシイワタシ」というのがある。
かなりマイナーな作品で、これを知っている人に出会ったことがない。
そもそも、読もうと思ったきっかけも覚えていない。
作者は「おおきく振りかぶって」のひぐちアサさん。そんな私は「おお振り」は読んだことない。この作品しか、この作者さんの本を知らないんです。
この漫画の中に
「できる人ができない人にできるハズって言うのはマズイんじゃないですか」
と主人公が発するカットがある。
当時、その言葉を目にして、かなり胸が抉られた。
そして、今も、その言葉が私の心の中にしっかりと残っている。
私の「常識」は貴方の「非常識」だし
貴方の「常識」は私の「非常識」になる
そんな当たり前のことを改めて思い出させてくれる言葉。
能力値の問題を言っているわけではない。
できる人にはできない人の気持ちはなかなかわからない。
そして、できなかったことができるようになったら、その「できなかった」という気持ちが薄れて行き「できるはず」と思うようになる。
そんな傲慢な心を、時々、潰していかなくてはいけない。
できる事が多いことで、やれる事のレベルが高いことで、人間の価値なんて決まるものではない。
もちろん、それが「できる」「やれる」という所に至るまでに個々人の努力があったのだと思う。
いや、努力とか必要ない天才とかいるのかもしれないが……。
これからも「できる」「やれる」ことを増やしていく。
半面、「できない」「やれない」時代があったことも、時々、思い出していこう。
……なんて言いつつ「できる」ことが「できない」に陥ることも、往々にしてあるんですがね。
そんな時は初心に帰るチャンスなのだと、舞い戻って行こうと思う。
あ、ちなみに「ヤサシイワタシ」は決してハッピーな話ではないので、苦手な方はご注意を。
でも、私は、自分を振り返る為に、時々、この本を開く程度には好きです。
だから、実は、ちょっとは好きになってほしいなという気持ちもありつつ……。